やっと、休みが合いそうだからそろそろアメリカ土産の残りを渚に渡そうかなと、思っていたら…

"来週から、少しの間帰るよ〜。もちろん、家に顔出すよな?"という、ゆるい連絡が父親から来た。

同じアメリカにいても、食事の連絡すらして来ないくせに渚を連れてこいって事だろ…確実に。
はしゃぐ親父と呆れる母の顔が容易に想像できる。

"週末連休取れそう。そっちはどう?"
"休みだよ〜!どこかいく?"
"行きたいとあるから、泊まりの準備だけしておいて"
"ラジャー!お菓子いる?"
"どーせ、持ってくるだろ"

てな感じで、やりたかった事と柳生家に挨拶に行く予定がバレない様にデートの予定を取り付けた俺は、渚の実家に連絡したら結婚の挨拶はいらない、逆にうちの実家に電話したら家族総出で挨拶に行きたいって、予想通りな返事が。うちの家族が出てくると厄介だとりあえず、しゃしゃり出てくるなって念押しておいた。
挨拶を断られた渚の実家には、久しぶりに顔を見せがてら遊びに行くって事で会う段取りを組んで、後は当日を待つだけ。
それからの数日は、妙な高揚感と緊張感の中過ごした。