期限の無い約束

「俺から説明しようか?」

「ややこしくしないでよ?」

「先日、20年ぶりに会ってプロポーズしました。なので付き合ってはいません。」

「また、ややこしくなってるよ…」

「やなちゃん、この話今度じっくり聞くわ!その時は長沢さんもぜひ!」
俺的に満足な説明の横で、真っ赤なのに若干引き気味の渚を他所に、同僚達は楽しげに帰って行った。

「俺たちも帰ろうか?」

「……。」

「え?怒ってる?無視?」

「なんで来たの?」
めっちゃ睨んでる…怒らせた?

「ダメだった?」

「今日帰って来るって聞いてない。」


「うん、早いフライトに変更できたからサプライズで来ちゃったよ。ダメだった?」

「ダメに決まってるでしょ!みんなに見られて恥ずかしかったし!それに…迎えに行こうと思ってたのに。」
最後、声ちっさ。でも、かわいい。

「あぁ、そのパターンも良かったね!じゃあ、今度は空港まで迎えに来てくれる?」
出張帰りに迎えに来て貰うなんて、早く帰りたいのにめんどくさいと思ってたけど、渚に出迎えてもらうのもいいな。

「予定が合えばね!それより、荷物はどうしたの?」

「駅に預けてあるよ。荷物があると目立ってサプライズが失敗しそうだったから。」