だめっ、たまんない。



辿り着いたのは集合住宅のおんぼろアパート。


驚くほど汚くて、ほんとに住めるのかレベル。




靴を持っていなかったらしく、裸足で家を出たとき、

止めるべきか悩んだが、

バレると面倒なので口出ししなかった。



なので裸足のままの彼女はペタペタと慣れた足取りで

歩いていく。


何があってもいいように

武器を纏った俺は彼女をつける。



ガチャ、その彼女が開けたのは、



母の家だった。

苗字を見た時、偶然かと思った。


まさか本名とも思っていなかった。


東堂は、母の苗字。そして、これは母の家。



来たことはないが、この辺のアパートの305号室だと

言っていた。


そしてここは紛れもなく、305号室の東堂。


間違うわけがない。


そして、俺は彼女の肩に手を乗せた。