だめっ、たまんない。




部屋に男達が入ってきたとき。


やっちまったと思った。


俺は、社長だが、裏社会と繋がっている。



そう簡単にチンピラにはやられない。




しかし、この量。


うちの人手を考えるとまともに勝負できない。



しかも、結奈ともう1人女。




そして、蕾の婚約者。


とても守りきれない。



ボコッ。


早速、女が結奈の父親に殴られた。


そして、わかった。




「なんの真似してるの?頼斗(らいと)。」


「あぁ?お前、殺されテェのかよ。」


「なんで、お前なんかに殺されなきゃならない!

私はお前の下じゃない!!」


「あぁ!!!」


この怖い男に怯まない女は、きっと結奈の母だ。


馬乗りになってボコボコに殴られても、

絶対に他に行かさないと。しがみつく。



強さがあった。



俺が2、3人と倒していく間に蛹と蕾が5人を倒した。

残り少なくなったと思った時、


婚約者さんと結奈の前に

見るからに2倍はある体の男が立ちはだかっていた。


そして、結奈の母親らしき女は力尽きたのか、

ピクリとも動かない。



「どっちから殴ろっかなぁ??あぁ?」

そんな声が聞こえてくる。


助けたい。一刻も早く。


でも、動けない。


こいつらを倒すまでは。


「ギャー!!」


そんな悲鳴が聞こえても、

そんな声が聞こえて隣で蕾が苦しそうに顔を歪めても

助けに行くことはできなかった。


目の前のことに精一杯で。




ようやく、倒し終わり、最後の1人を踏みつけた時


頭が揺れた。





結奈の父親だった。


でも、もう1発がその男から発されることはなかった



気づくとそいつは、


目の前に倒れていた。


男が殴る前に誰かが殴り倒した。




パッと前を向く。



立っていたのは、







真顔の結奈だった。