「これなんだけどな……」
見せられたのは私の成績表とテストの結果をまとめたものだった。高校に入学してからのが一覧で表示されていた。
「1学期はなんとかクリアしていたが2学期からの小テストはほとんどができてないのわかってるよな。それでこれから中間テスト、期末テストもある。その成績しだいでは進級できない可能性があることを伝えようと思ってな。たしかに事故の後遺症で勉強についていけないのもわかるが……ここはお前も知っての通りに進学校だ。もし小野寺さえよかったら違う学校に転校することも可能だ。ちゃんとサポートするから……だからこれからのことをご両親とよく話し合って、その結果を教えてくれないか?」
そう言って先生はそっとファイルを閉じた。
覚悟していた。覚悟していたが、こうも現実を見せられるとやはり辛かった。あの半年前の事故が嘘だったらどんなによかっただろう。
そしたら私は一馬の隣で嘘の彼女として今でも笑っていられたというのに……それでも現実問題、これからのことを本当に考えなくてはならなくなってしまった。私はこのことは絶対に誰にも言わないでほしいとお願いして進路指導室を出た。でもすぐにはクラスに戻れなくてトイレの個室でひっそりと涙をこぼした。泣かないと決めていたけど、やっぱり辛い。一馬に頼りたい。すがりたい……でもそんな気持ちをもっていたらだめだと切り替えて涙を拭いてクラスに戻った。
「遅かったな。やっぱり昨日よくなかったのか?もしかして泣いた?」
戻った早々に一馬に声をかけられた。涙の跡が残ってたのか目の下をそっと拭われた。どんな言い訳をしようかと考える前に、私たちのやり取りを見ていたクラスメイトたちが騒ぎ始めた。
「ほんと仲いいよね」
「このまま結婚か?」
「羨ましい~」
「リア充したーい」
そんな声が聞こえてきて私たちの周りに人が集まってきたのでその話はそれっきりになった。助かった~と心の中で思いながら私はあとどのくらいこの教室でみんなと一緒にいられるんだろうと考えながら勉強をするふりをしながら小さいノートに今のことをメモしていた。明日には今の辛い気持ちも悲しい気持ちも全てなくなってしまうことに重いため息を吐きながら。
なんとか1日を終えてぐったりしてしまった。結局私はあれから集中できず、テストも一馬が教えてくれたのにできなかった。
「蛍、どうだった?」
「まぁまぁかな……」
「俺部活だから気をつけて帰れよ。木田頼んだぞ」
「うん任せて。蛍帰ろう」
「うん。頑張ってね」
高校から仲良くしている木田 あかりと一緒に帰る。あかりは私より3つ先のバス停で降りるから一緒に帰る。私たちに手を振りながら一馬はサッカー部に向かった。そして柚は……いつの間にかサッカー部のマネージャーになっていた。朝は一馬と楽しく行けるのに帰りは一馬がいない。それは私がサッカーをやってほしいとお願いしたからだけど……でもやっぱり寂しかった。そして私は帰ってからも仕事が残っている。
「ただいま」
「おかえり。大丈夫だった?」
お母さんは在宅で仕事をするように変えてくれたので一馬がいない時はこうしてバス停まで迎えにきてくれる。
「お母さん……やっぱり無理みたい。進級は難しいかもって言われちゃった」
これからどうしようか?何かいい治療法が見つかるといいのにね。と背中を撫でてくれた。お母さんの手の温もりに涙が溢れそうになった私は家に入ると着替えてくるっと自分の部屋に入った。そして私は布団を被って声を押し殺して泣いた。泣いても状況は変わらない。でも自分がどうしていいのかわからなかった。
ただ……一馬と離れたくないという気持ちだけは私の心に残った。
見せられたのは私の成績表とテストの結果をまとめたものだった。高校に入学してからのが一覧で表示されていた。
「1学期はなんとかクリアしていたが2学期からの小テストはほとんどができてないのわかってるよな。それでこれから中間テスト、期末テストもある。その成績しだいでは進級できない可能性があることを伝えようと思ってな。たしかに事故の後遺症で勉強についていけないのもわかるが……ここはお前も知っての通りに進学校だ。もし小野寺さえよかったら違う学校に転校することも可能だ。ちゃんとサポートするから……だからこれからのことをご両親とよく話し合って、その結果を教えてくれないか?」
そう言って先生はそっとファイルを閉じた。
覚悟していた。覚悟していたが、こうも現実を見せられるとやはり辛かった。あの半年前の事故が嘘だったらどんなによかっただろう。
そしたら私は一馬の隣で嘘の彼女として今でも笑っていられたというのに……それでも現実問題、これからのことを本当に考えなくてはならなくなってしまった。私はこのことは絶対に誰にも言わないでほしいとお願いして進路指導室を出た。でもすぐにはクラスに戻れなくてトイレの個室でひっそりと涙をこぼした。泣かないと決めていたけど、やっぱり辛い。一馬に頼りたい。すがりたい……でもそんな気持ちをもっていたらだめだと切り替えて涙を拭いてクラスに戻った。
「遅かったな。やっぱり昨日よくなかったのか?もしかして泣いた?」
戻った早々に一馬に声をかけられた。涙の跡が残ってたのか目の下をそっと拭われた。どんな言い訳をしようかと考える前に、私たちのやり取りを見ていたクラスメイトたちが騒ぎ始めた。
「ほんと仲いいよね」
「このまま結婚か?」
「羨ましい~」
「リア充したーい」
そんな声が聞こえてきて私たちの周りに人が集まってきたのでその話はそれっきりになった。助かった~と心の中で思いながら私はあとどのくらいこの教室でみんなと一緒にいられるんだろうと考えながら勉強をするふりをしながら小さいノートに今のことをメモしていた。明日には今の辛い気持ちも悲しい気持ちも全てなくなってしまうことに重いため息を吐きながら。
なんとか1日を終えてぐったりしてしまった。結局私はあれから集中できず、テストも一馬が教えてくれたのにできなかった。
「蛍、どうだった?」
「まぁまぁかな……」
「俺部活だから気をつけて帰れよ。木田頼んだぞ」
「うん任せて。蛍帰ろう」
「うん。頑張ってね」
高校から仲良くしている木田 あかりと一緒に帰る。あかりは私より3つ先のバス停で降りるから一緒に帰る。私たちに手を振りながら一馬はサッカー部に向かった。そして柚は……いつの間にかサッカー部のマネージャーになっていた。朝は一馬と楽しく行けるのに帰りは一馬がいない。それは私がサッカーをやってほしいとお願いしたからだけど……でもやっぱり寂しかった。そして私は帰ってからも仕事が残っている。
「ただいま」
「おかえり。大丈夫だった?」
お母さんは在宅で仕事をするように変えてくれたので一馬がいない時はこうしてバス停まで迎えにきてくれる。
「お母さん……やっぱり無理みたい。進級は難しいかもって言われちゃった」
これからどうしようか?何かいい治療法が見つかるといいのにね。と背中を撫でてくれた。お母さんの手の温もりに涙が溢れそうになった私は家に入ると着替えてくるっと自分の部屋に入った。そして私は布団を被って声を押し殺して泣いた。泣いても状況は変わらない。でも自分がどうしていいのかわからなかった。
ただ……一馬と離れたくないという気持ちだけは私の心に残った。

