「蛍、落ち着いたか?」
一馬に抱きしめられて一馬の鼓動を聞いてるうちに落ち着いてきて少しだけ冷めたホットミルクを飲んだ。
「蛍、俺は謝ってほしいわけじゃないんだよ。何があったの?って……そのノート見ちゃったんだな。あの箱はもう見ないと思ってたんだよ。恥ずかしいなもう10年も前なんだな」
私が握りしめていたノートをそっと取ってくれた。
「蛍のことだから自分のせいで精神科医に俺がなったって思ってるよね?でもそれは違うよ。確かに最初、医学部を目指そうと思ったときはそう思った。精神科医になって俺が蛍を治すんだって思ってた。でもそれを伝えたときに親父に言われたんだよ。蛍のせいにして進路を決めるなって。なんで?どうしてってそのときは思ったよ……でもさ、考えてみればそうだよなって思うことができた。だって自分の人生だもん。自分で決めなきゃなって。だから思ったんだ……俺は蛍と生きていくために医者になろうと決めたんだ。それも精神科医になろうと……ちゃんと自分の意志で決めたんだよ。まぁ俺が医学部に入ってる間に蛍の記憶は戻っちゃったから俺が治してあげたわけじゃないけどさ。それでも今はいろんな人と関われて勉強にもなってる。だから精神科医になってよかったと思ってるよ。それに蛍とこの子がいるから幸せだし頑張れるんだ」
一馬は昔から私の為に生きてくれてる。私もその思いに答えたい。一馬の腕の中で私は涙をこぼした。しばらく抱き合っていたが一馬のお腹の音が聞こえて思い出した。
「ごめんなさい……晩ごはんっ」
買い物に行こうとして、あのノートを見てるうちに何をしようとしていたのかを忘れてしまうだなんて……私は何をしてるんだろう。奥さんとして失格だと落ち込む私の頭をポンポンと叩いた。
「じゃあ久しぶりにデートに行こうか?」
笑って声をかけてくれた。私のことを責めたりせずに……
「蛍、別に俺は蛍に家政婦になってほしくて結婚したわけじゃない。一緒に生きていきたいからだ。だからもう自分を責めるな。俺は蛍のせいだからこうなったなんて思ってない。むしろラッキーだよ。だってそうだろ?こうして1番大好きな人と結婚出来て一緒に生きていけるんだからさ。だからもう泣くのはおしまい。赤ちゃんも悲しくて泣いちゃうぞ。ほら、お腹張ってきてる。少し横になろう」
さっきからお腹が張ってきて少し苦しいと思っていた。一馬は昔から私の変化に気づいてくれる。一馬も一緒に横になってお腹を優しく撫でてくれた。
「蛍、色んなことがあるけど俺たちは夫婦だ。これから先も……だからもし蛍が気になることや記憶にないことがあったら教えてよ。俺がちゃんと教えるから……」
結局、お腹の張りがしばらく続いたのと泣いて目が赤い私を気にして一馬が晩ごはんを作ってくれたので謝ろうとして止められた。
「ごめんねよりありがとう。って言ってくれる蛍の笑顔が見たいんだよな」
そう言われて泣き笑いみたいになりながら、ありがとうというと抱きしめてくれた。
一馬とこれからも一緒に生きていく。たまに忘れてて思い出せないことがあってもいつも許してくれる一馬と……そしてあと3か月後に生まれてくる赤ちゃんと……どんなことがあってもこの幸せだけはなくしたくない。忘れたくない。そう言った私に一馬は……
「もしまた蛍がさ俺のこと忘れてしまったら、また思い出させてやるよ。だから心配するな」
そう言われて心が軽くなった。一馬がいてくれるそれだけで私は幸せだ。きっと私の頭の中は少しネジがズレてたり緩んだりしてるのかもしれない。それでも心から愛する一馬がいてくれる。その幸せを噛み締めながら今日も私は、一馬の隣で生きていく。
一馬に抱きしめられて一馬の鼓動を聞いてるうちに落ち着いてきて少しだけ冷めたホットミルクを飲んだ。
「蛍、俺は謝ってほしいわけじゃないんだよ。何があったの?って……そのノート見ちゃったんだな。あの箱はもう見ないと思ってたんだよ。恥ずかしいなもう10年も前なんだな」
私が握りしめていたノートをそっと取ってくれた。
「蛍のことだから自分のせいで精神科医に俺がなったって思ってるよね?でもそれは違うよ。確かに最初、医学部を目指そうと思ったときはそう思った。精神科医になって俺が蛍を治すんだって思ってた。でもそれを伝えたときに親父に言われたんだよ。蛍のせいにして進路を決めるなって。なんで?どうしてってそのときは思ったよ……でもさ、考えてみればそうだよなって思うことができた。だって自分の人生だもん。自分で決めなきゃなって。だから思ったんだ……俺は蛍と生きていくために医者になろうと決めたんだ。それも精神科医になろうと……ちゃんと自分の意志で決めたんだよ。まぁ俺が医学部に入ってる間に蛍の記憶は戻っちゃったから俺が治してあげたわけじゃないけどさ。それでも今はいろんな人と関われて勉強にもなってる。だから精神科医になってよかったと思ってるよ。それに蛍とこの子がいるから幸せだし頑張れるんだ」
一馬は昔から私の為に生きてくれてる。私もその思いに答えたい。一馬の腕の中で私は涙をこぼした。しばらく抱き合っていたが一馬のお腹の音が聞こえて思い出した。
「ごめんなさい……晩ごはんっ」
買い物に行こうとして、あのノートを見てるうちに何をしようとしていたのかを忘れてしまうだなんて……私は何をしてるんだろう。奥さんとして失格だと落ち込む私の頭をポンポンと叩いた。
「じゃあ久しぶりにデートに行こうか?」
笑って声をかけてくれた。私のことを責めたりせずに……
「蛍、別に俺は蛍に家政婦になってほしくて結婚したわけじゃない。一緒に生きていきたいからだ。だからもう自分を責めるな。俺は蛍のせいだからこうなったなんて思ってない。むしろラッキーだよ。だってそうだろ?こうして1番大好きな人と結婚出来て一緒に生きていけるんだからさ。だからもう泣くのはおしまい。赤ちゃんも悲しくて泣いちゃうぞ。ほら、お腹張ってきてる。少し横になろう」
さっきからお腹が張ってきて少し苦しいと思っていた。一馬は昔から私の変化に気づいてくれる。一馬も一緒に横になってお腹を優しく撫でてくれた。
「蛍、色んなことがあるけど俺たちは夫婦だ。これから先も……だからもし蛍が気になることや記憶にないことがあったら教えてよ。俺がちゃんと教えるから……」
結局、お腹の張りがしばらく続いたのと泣いて目が赤い私を気にして一馬が晩ごはんを作ってくれたので謝ろうとして止められた。
「ごめんねよりありがとう。って言ってくれる蛍の笑顔が見たいんだよな」
そう言われて泣き笑いみたいになりながら、ありがとうというと抱きしめてくれた。
一馬とこれからも一緒に生きていく。たまに忘れてて思い出せないことがあってもいつも許してくれる一馬と……そしてあと3か月後に生まれてくる赤ちゃんと……どんなことがあってもこの幸せだけはなくしたくない。忘れたくない。そう言った私に一馬は……
「もしまた蛍がさ俺のこと忘れてしまったら、また思い出させてやるよ。だから心配するな」
そう言われて心が軽くなった。一馬がいてくれるそれだけで私は幸せだ。きっと私の頭の中は少しネジがズレてたり緩んだりしてるのかもしれない。それでも心から愛する一馬がいてくれる。その幸せを噛み締めながら今日も私は、一馬の隣で生きていく。

