吸血鬼少女レイチェル。

ここ英国、トマトハウスは今日も長閑です。
「いい。ジャガイモを植えるのよ」
レイチェルお嬢さまがグリーンノヴァで作業体数台に指示しています。
作業体のオルガノイド脳にインプットされたのでしょうか。
ヒト遺伝子をゲノム編集し細胞培養された有機脳、オルガノイド脳、その有機脳を金属部品で組み立てられた、作業体は頭部に収めています。

あたしは本を木陰でめくっています。

申し遅れました。

あたしはセブン。トマトハウス、メイド、セブンとなります。

グリーンノヴァは初夏の日差しでした。

小説の頁を捲ると緑雨に満ちた清風を感じました。

木々の梢が揺れ囁きを放ちます。これらも木漏れ日の日々といえるでしょうか。

数台の作業体がジャガイモの苗を植えています。

その動きを見ています。

あたしが好きな小説に「赤毛のアン」シリーズがあるのですけれど、世界は少しばかりほおっておいてうまく行く、という台詞があります。事実上述べているのですが長閑なトマトハウスとグリーンノヴァの風景はそれらを思い起こさせるようでありました。