思ったような結果が出ず、旗色の悪いジャルダンとロザリーの顔は徐々に青褪めていっているが、学園内はまるで体育祭のような盛り上がりをみせていた。
しばらくして一つの結果が導かれた。
誰しもが納得の結論である。
男性でも不可能な移動や投擲が、令嬢のマリアンヌに出来るはずもない――
マリアンヌはあっさりと無罪を勝ち取っていた。
「きゃ~~、なんて華麗な断罪返し!」
「さすがマリアンヌ様ですわ!」
再び集められた講堂で令嬢たちは喜んでいるが、自分の能力が異次元だと改めて気付かされたマリアンヌの胸中は複雑である。
しかも、断罪返しといってもマリアンヌはただ状況を見守っていただけで、何もしていないのだ。
「ま、まだだ! マリアンヌは確かにロザリーを虐めていたんだ!」
往生際悪く喚いているジャルダンに、堂々とした声がかけられた。
