なぜか今日に限って白シャツにトラウザーズ姿のアレンは、とても執事見習いには見えなかった。
ラフな格好なのにどこか気品を感じさせるその姿は、確かに高位令息が学園に忍び込んだように見えてもおかしくはない。
いや、マリアンヌが手引きをしたと考える方が自然だ。
マリアンヌの弱みを握ったと思っているのか、ロザリーはニマニマと笑って、非常に楽しそうである。
それもそのはず、放課後の学園、人通りの少ない階段で第一王子の婚約者である公爵令嬢……いや、悪役令嬢が見知らぬ男と親し気に寄り添っているのだから。
自称ヒロインのロザリーにとって、邪魔な悪役令嬢を成敗する為には、これ以上ないスキャンダルだと感じているのだろう。
彼女はチャンスとばかりに鼻息荒く捲し立ててきた。
「それにしても、令嬢のお手本マリアンヌが隠れて会ってるくらいだから、どんなハイスペック男かと思えば……。たいしたことなくてガッカリだわ。背は高いけど、顔が見えないほど前髪がウザくてダサいし。え、高貴な方ってこういうのが好みなんですかぁ?」
ケラケラ笑いながら勝ち誇る顔が腹立たしい。
確かにアレンの顔は今日も隠れているけれど、うちに仕え始めた頃は髪も短くて、それはそれは綺麗な顔をしていたんだからね……曖昧な記憶だけど。
見た目だけのジャルダンなんかよりよっぽど優秀で素敵なんだから!
ラフな格好なのにどこか気品を感じさせるその姿は、確かに高位令息が学園に忍び込んだように見えてもおかしくはない。
いや、マリアンヌが手引きをしたと考える方が自然だ。
マリアンヌの弱みを握ったと思っているのか、ロザリーはニマニマと笑って、非常に楽しそうである。
それもそのはず、放課後の学園、人通りの少ない階段で第一王子の婚約者である公爵令嬢……いや、悪役令嬢が見知らぬ男と親し気に寄り添っているのだから。
自称ヒロインのロザリーにとって、邪魔な悪役令嬢を成敗する為には、これ以上ないスキャンダルだと感じているのだろう。
彼女はチャンスとばかりに鼻息荒く捲し立ててきた。
「それにしても、令嬢のお手本マリアンヌが隠れて会ってるくらいだから、どんなハイスペック男かと思えば……。たいしたことなくてガッカリだわ。背は高いけど、顔が見えないほど前髪がウザくてダサいし。え、高貴な方ってこういうのが好みなんですかぁ?」
ケラケラ笑いながら勝ち誇る顔が腹立たしい。
確かにアレンの顔は今日も隠れているけれど、うちに仕え始めた頃は髪も短くて、それはそれは綺麗な顔をしていたんだからね……曖昧な記憶だけど。
見た目だけのジャルダンなんかよりよっぽど優秀で素敵なんだから!
