その週末、早速幹ちゃんは我が家に引っ越してきた。
意外にも荷物は少なく、わたしが「これだけ?」と言うと「俺は服さえあればいいからさ。」と幹ちゃんは言い、お兄ちゃんの部屋に荷物を運ぼうとした。
「あ!幹ちゃん!ちょっと待って!」
「ん?」
「ちょっと、お兄ちゃんの布団と枕だけ、先に移動させてもいい?」
「布団と枕?」
「わたし、、、お兄ちゃんが居なくなってから、お兄ちゃんのベッドで寝てて、、、。だから、わたしお兄ちゃんの布団と枕使いたいから、幹ちゃんはわたしの布団と枕使って?!」
「えぇ??!」
わたしは「ちょっと待ってて!」と幹ちゃんに言うと、急いでお兄ちゃんとわたしの布団と枕を交換して移動させた。
それを見た幹ちゃんは「マジか、、、」と呟き、複雑そうな表情を浮かべていた。
「あ、幹ちゃん!大丈夫!わたしの布団、臭くないから!」
「いや、別にそんな心配してるわけじゃなくて、、、寝れっかなぁ。」
「え?」
「あー、いや。何でもない。」
そう言って、お兄ちゃんの部屋に荷物を運ぶ幹ちゃん。
今日から、幹ちゃんとの生活が始まるのかぁ、、、
最初はちょっと複雑だったけど、わたしの次にお兄ちゃんをよく知ってる人だから、何だか嬉しかった。
幹ちゃんはお兄ちゃんにわたしのこと頼まれたって言ってたけど、わたしも22歳だし、今までお兄ちゃんに甘え過ぎてたから、ちゃんと自立出来るように頑張らないとなぁ。



