「昔から?」
「うん。ほら、俺早くに両親亡くしてるからさ、親戚中にたらい回しにされて、まともな服持ってなかったんだ。久しぶりに新しい服買ってもらったのは、じいちゃんばあちゃんの家に住むようになってからかな。」
何気ない表情で言う幹ちゃんの言葉があまりにも悲しく、わたしは何と声を掛けたら良いのか分からずにいた。
「俺さ、一人っ子だったし、いつも優弦が羨ましかったんだ。優弦と優莉も複雑な家庭で育って、苦労してきたのは分かってるけど、、、お互いを信頼し合って支え合ってる二人を見てたら、兄妹っていいなぁって、、、いつも思ってた。俺、、、家族ってものに憧れてたんだよな。」
わたしは幹ちゃんの話を聞いていて、涙が溢れてきた。
幹ちゃんのことは小さい頃から知ってるけど、そんな風に思いながらわたしたちを見てたなんて知らなかった。
すると、涙を流すわたしを見て、幹ちゃんが「何で優莉が泣いてるんだよ。」と呆れたように笑った。
「だって、、、」
「今はもう大人だし、平気だよ。」
幹ちゃんはそう言ったが、わたしは自分が包まってる毛布を半分、幹ちゃんの肩に掛けてあげた。
そのわたしの行動に幹ちゃんは目を見開き、驚いていた。
「わたしたち、今日から家族だよ?同じ家に住んでるんだもん。それに、幹ちゃんはお兄ちゃんの代わりにわたしと一緒に居てくれるって決めてくれたんでしょ?それなら、わたしたち家族だよ?」
わたしがそう言うと、幹ちゃんは優しく微笑み、「ありがとう。家族って、、、温かいな。」と言い、わたしが肩に掛けた毛布に触れたのだった。



