スーパーに着くと、カレーに必要な材料をカゴに入れながら歩きつつ、お菓子コーナーに行っては、「あ、これお兄ちゃん好きなやつ!」と言いながら、その商品を手に取り、"そうだ、もうお兄ちゃん、居ないんだ、、、"とそっと元の場所に戻した。
そして、飲料が並ぶ冷蔵コーナーに行くと、どうしてもお兄ちゃんがよく飲んでいたブラック珈琲のペットボトルが先に目に入ってしまい、涙が出そうなのをグッと堪えて「わたし、ほうじ茶にする!」とカゴに入れた。
「じゃあ、俺は、、、緑茶かな。そうだ、優莉って、酒飲めんの?」
「お酒?チューハイなら飲めるよ!」
「じゃあ、今日からシェアハウスよろしくって事で乾杯でもするか。」
「いいね!じゃあ、わたしカルピスサワーしよーっと!」
そうして、わたしたちは何だかんだ買い物をして、帰宅した。
幹ちゃんは帰宅すると、早速ご飯を研ぎ始め、炊飯器に早炊きでセットすると、手際良くカレーを作る下準備を始めた。
「幹ちゃん、お兄ちゃんみたい。」
「えっ?」
「手際良いとことか。」
「そうか?」
「わたし、何か手伝おうか?」
「カレーなんて簡単だから、大丈夫だよ。優莉は、座って待ってろ。」
幹ちゃんの言葉に、わたしが居た方が邪魔になっちゃうか、、、と思い、わたしは「はーい。」と返事をして、大人しくソファーに座り、テレビを見ながら待つことにした。
しかし、テレビの内容なんて全然頭に入ってこない。
どうしてもお兄ちゃんのことを考えてしまう。
週末になると、よくお兄ちゃんとテレビゲームで対決して遊んでたなぁ。



