中学3年生の夏休み前の終業式、そう今からちょうど3年前の7月20日。
その日はあたしの誕生日。学校が終わったら大好きな海に行く約束を前からしていた。


だけどその日、海斗は学校にくることはなかった。それどころか、その日を境にあたしの目の前から消えた。

「おかけになった電話番号は現在使われておりません」

そう、跡形もなく……。



担任の先生に聞けば、急な都合で転校したと聞いた。昨日まで普通に学校帰り家まで送ってくれて「明日楽しみだね」なんて夜は電話で話していたのに。その時どんな気持ちで、どんな顔で、あたしと電話をしていたのだろうか。

なんの事情も話してくれないまま簡単に消えてしまったのかと思うと、それはもう怒りを通り越して冷めるしかなかった。



あたしの初恋だった。

大好きで日が増すに連れて本気で愛おしいと思えた人。

それはあっけなく終わり、それ以来あたしは恋愛なんてしていない。