太陽のような君と夏の恋

○夕方・柚葉の家の自室
ベッドに座り、アルバムを開く柚葉。そこには幼い頃から蒼依と一緒に写っている写真がたくさんある。
柚葉は写真の中の蒼依を見つめ、指でなぞる。見慣れた黒髪の蒼依の姿に、ホッとした表情を浮かべる柚葉。

小学生の時の写真を見る柚葉。運動会で、二人して転んで泣いてる蒼依と柚葉。

柚葉(蒼依が引っ越してきてから、私達はいつも一緒に居る……)

中学生の時の写真。部屋で勉強をしている蒼依と柚葉。

柚葉(一緒に泣いて、一緒に成長して。ずっと兄弟同然の関係だと思ってたのに、蒼依はいつから私の事が好きだったんだろう……、いつからあんなに男らしくなってたんだろう……。ううん、考えてみればずっとモテてたっけ……)

○回想と思考
柚葉は写真に写っている出来事以外も思い出す。正月、バレンタイン、ホワイトデー、夏祭り、海、クリスマス。昔からそうしたイベントは全て蒼依や、家族も含めた両家合同で過ごしてきた。今まで疑問に思いもしなかったけど、それはつまり蒼依に恋人が居なかったということではないだろうか、と思い当たる柚葉。

高校に入り、美咲を通して涼介と知り合う場面と、柚葉が涼介に告白されたシーンの回想。
初めての告白、それも他校生からの告白にうろたえる柚葉。そんな柚葉に驚く美咲と涼介。

○夕方・柚葉の家の自室
柚葉(おかしいのは蒼依じゃなくて私の方……。私は涼介くんに未練があったんじゃないの……? 自分の気持ちが全然分からない……)

○夜・蒼依の部屋
蒼依は鏡にうつる自分を見つめている。

蒼依(黒髪に戻さないといけない……でも……柚葉の態度が元に戻りそうで怖い……)

深いため息をつく蒼依。