太陽のような君と夏の恋

○放課後・帰宅途中
涼介との会話を終え、家に帰ろうとする柚葉。道中、蒼依と会って一緒に帰ることに。
無言のまま互いの家の前まで辿り着く二人。
柚葉は自分の気持ちを自覚したが、どう切り出して良いか分からず一旦自室で整理しようと考え、自宅の鍵を開ける。
玄関扉を開き、一歩足を踏み入れる柚葉。そんな柚葉を後ろから抱きしめる蒼依。

蒼依「好きな人って、誰」
柚葉「……っ、聞いてたの!?」
蒼依「うん。……俺、うぬぼれても良いのかな? それとも勘違い?」

蒼依の腕から震えが伝わってくることに気付いた柚葉は、腕をポンポン、と叩いて力を緩めさせる。くるりと振り向き蒼依の方を真っ直ぐ見つめる。

柚葉「……私が好きなのは、蒼依だよ。ごめんね、気付くのが遅くて」

一瞬時間が止まったかのように動きを止める蒼依。我に返ってから柚葉をぎゅっと抱きしめて「嬉しい」と呟く。

○蒼依の家・ダイニング
帰宅する蒼依の両親と柚葉の両親。作った料理を出す蒼依と柚葉。料理自体はいつも通りだが、二人が醸し出す雰囲気が普段と違う事に気付く両親たち。
子供達に気付かれないように四人でひそひそと会話。

蒼依母「あれって……そういうことだよね!?」
柚葉母「付き合いたてって感じで初々しいわー……。本当、うちの子がとろとろしてたせいで蒼依くんには悪いことしたわね」
柚葉父「どうやら本当の家族になる日も遠くなさそうだ」
蒼依父「今もそう変わらない気がするけど……改めてよろしくお願いするよ、ははは」