「一緒に逃げようよ、別の場所に」

弟は私にそう告げた

この一言から始まった

私と弟の逃避行だ








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時は二〇XX年

私は弟と共に別のサッカーチームに所属していた。

私も弟も当時12歳だった。

周りの人から「チームは楽しいのか」

とよく聞かれる。

実際のところ、答えは「ノー」だ。

私は昔から人と関わることが苦手で、

友達も少なかった。

サッカーの実力は

お世辞にも上手いとは言えない実力だった。

そのため私は他校との合同チームでは馴染めず

キャプテンやチームメイトからいじめを受けていた。

当時の私は気が弱く、

大人に相談するなんてことは出来なかった。

一度勇気を出して、Aコーチに相談した。

しかしAコーチはこう告げた

「自分でどうにかしろ、俺も忙しいんだ。」

その一言でコーチは私を突き放した。

まるで夜道を歩いている時に

突然後ろから押されたような気持ちだった。

私はその日、涙を流しながら眠りについた。