君の瞳の中で生きてみたくて


「で、早速何ですが、つみき先生の作品の作画を担当する漫画家さんなんですが、月光下弦先生ってご存知ですか?」

月光下弦、、、

えっ?!

月光下弦って、少年漫画を中心に描いてるあの月光下弦?!

「あ、はい。もちろん、知ってますけど、、、あの月光さんがわたしの作品の作画を担当してくださるんですか?!」
「はい、そうなんですよ。」
「でも月光さんって、少年漫画系が多いですよね?わたしの書いたものは、恋愛ものですけど、、、」
「実は先日、下弦先生にチラッと話たんですよ。つみき先生の作品を漫画化にしようという話が出てて〜って。そしたら、"それ誰?"って言われたんで、素人さんなんですって話をしたら、下弦先生が個人的につみき先生の作品を読んだらしくて。」
「えっ?!そ、そうなんですか?!」
「はい。そしたら、この作品なら恋愛系は描いたことないけど、挑戦してみたいと、下弦先生の方から打心がありまして。それで決まったんですよ。」

月光さんの方から、、、
わたしの作品を描いてみたいと言ってくださった、、、?

嘘でしょ、、、?

「あ、それで下弦先生なんですけど、さっきもお話しましたが、家から出ない方でして。」
「家から出ない、というのは?」
「まぁ、忙しくて出られないのもあるんでしょうが、基本的に自宅が好きな方なので、何かあればこちらから出向く感じなんですよ。前に出版社の方に来てくださいとお願いしたら、連絡取れなくなっちゃったことがあって。あの時は焦りましたよ〜。今、うちのトップと言っていいほど注目されてる漫画家さんですから、やめられたら困っちゃうんで、ちょっと特別扱いにはなっちゃってるんですけどね。」

そう言って、バックミラー越しに苦笑いを浮かべる星野さんの表情が見えた。

そうだよね、売れてる漫画を描いてるのって月光さんだし、、、

そんな凄い人にわたしの作品を描いてもらっちゃって、いいのかなぁ、、、