君の瞳の中で生きてみたくて


その後、わたしたちはビジネスパートナーから、人生の最愛のパートナーとして一緒に生活を共にするようになった。

千空くんの生活リズムは、再びわたしに合わせるようになり、意外にも甘えん坊な千空くんは度々、不意打ちのキスをしてきた。

夜の散歩も日課になり、必ず手を繋いで歩き、わたしが歯を磨いている時は必ず後ろから抱き締めてきて、寝る時もわたしを抱き締めて眠る。

わたしは、やっと生きている実感を得られるようになっていた。

千空くんがいない人生なんて、もう考えられない。

そして、わたしの新作の書籍はというと、発売してから予想以上に売れ行きが良いらしく、新木さんから「つみき先生のサイン会やりましょうよ!」と提案があったが、顔を晒したくないわたしはお断りした。

わたしは、静かに穏やかに千空くんと生活を共にしながら、作家としての執筆活動を続けた。

今が、一番幸せだ。

これ以上の幸せは望まない。

ただ、千空くんの瞳の中に映る世界で生きていければ、他に何もいらない。

「なごみ。」
「ん?」

千空くんはわたしに歩み寄ってくると、わたしの目線に合わせてしゃがみ込み、わたしを真っ直ぐに見つめた。

そしてわたしの頬に触れ、優しく微笑んだ。

「なごみの瞳に、俺が映ってる。その瞳に、他の男を映すなよ?」
「それはあり得ない。わたしの瞳には、千空くんしか映らないから。」



―END―