君の瞳の中で生きてみたくて


ホテルに到着すると、新木さんがフロントで全てチェックインの手続きをしてくれて、わたしは鍵を持つ新木さんに案内され、そのあとに続いて歩いて行った。

「はい、ここがつみき先生がしばらく滞在する部屋ですよ〜!」

そう言って新木さんに案内してもらった部屋は、ただ執筆する為に滞在するには勿体ないくらい立派で綺麗な部屋だった。

「え、こんな良いお部屋をとってくれたんですか?」
「もちろんです!つみき先生の為ですから!」
「いやいや、わたしなんて全然まだ"先生"なんて呼ばれるレベルでもないのに、、、」
「とりあえず、まぁ、座ってください!早速打ち合わせしましょう!」

そして、わたしは窓側にある椅子に座り、新木さんはわたしと対面になるように椅子に座った。

「つみき先生、既に執筆中の作品があると聞いてるんですが、見せていただく事は可能ですか?」
「あ、はい。」

そう言って、わたしはバッグからノートパソコンを取り出すと、執筆中の小説のページを開き、パソコンの画面を新木さんの方へ向けた。

「ありがとうございます。ちょっと拝見させていただきますね。」

新木はわたしが書いている途中の小説を読んでいくと、「なるほど。」と言い、パソコンを返してくれた。

「いいですね!新作はこれでいきましょう!このまま執筆を続けてください。僕は定期的に伺って見せていただきますので。」

新木さんはそう言ったあと、発売時期の話や締め切り日の話をした。

「わかりました。じゃあ、それが終わったら、帰ってもいいってことですよね?」

わたしがそう訊くと、新木さんは「帰るというのは、、、下弦先生のところに、という意味ですか?」と意地悪な訊き方をしてきた。