君の瞳の中で生きてみたくて


その日の夜、わたしたちはいつものように同じ時間に布団に入り、手を繋いだ。

「おやすみ。」

わたしがそう言うと、千空くんは不満そうな表情で「今日は、、、手を繋ぐだけじゃやだ。」と言った。

「え、、、じゃあ、どうすればいいの?」

わたしがそう訊くと、千空くんはわたしの方に身体を寄せ、「なごみ、後ろ向いて。」と言ったのだ。

「え?後ろ?」
「うん、後ろ向いて。」

わたしは千空くんに言われた通り、千空くんに背を向けるように寝返りを打った。

すると、後ろから千空くんがわたしを包み込むように抱き締めた。

こないだも後ろから抱き締められたけど、布団の中で抱き締められると、変にドキドキしてしまう。

千空くんはわたしの耳元で「なごみ。」とわたしの名を呼んだ。

「何?」
「俺から、、、離れていくなよ?」
「今、くっついてるよ?」
「そうじゃなくて、、、ずっと、俺のそばに、いて欲しい、、、」

千空くんが自信なさげにそう言うので、わたしは千空くんの方を顔だけ振り向かせた。

すると、すぐ目の前にはカーテンの隙間から差し込む月明かりに照らされた千空くんの顔があって、今にも鼻が触れ合いそうな距離にあった。