「ねぇ、、、千空くん?」
わたしが俯き加減で名前を呼ぶと、千空くんの声が「ん?」と耳元で響いた。
「こないだ、、、千空くんが気持ちを伝えてくれて、凄く嬉しかった。だから、、、わたしも伝えなきゃって、、、ずっと思ってて、、、。」
わたしがそう言うと、千空くんは優しい声で「なぁに?」と言うと、わたしを優しくも強くギュッと抱きしめ直した。
「わたし、、、千空くんのことが、好き。誰かと一緒に居るのが苦手なのに、、、千空くんとなら、一緒に居られるの。それで、、、そのぉ、、、」
わたしの中で言葉がまとまらず、次の言葉に困っていると、千空くんは「好きって聞けただけで充分だ。」と言い、「ありがとう。」とわたしの頭を撫でた。
「でも、もう一回聞きたい。」
そう言って、千空くんはわたしの身体をクルッと回し、向かい合わせにした。
「俺の目を見て、もう一回言って欲しい。」
千空くんの瞳は真っ直ぐで澄んでいて、とても綺麗だった。
わたしは恥ずかしかったが、目を逸らさず千空くんの瞳を真っ直ぐに見て、「好き、、、千空くんのことが、好きです。」と言った。
すると、千空くんは耳を真っ赤にして腕で口元を隠しながらわたしから顔を逸らし、照れていた。
「もう!何で千空くんが目逸らすの?!わたし、頑張って、!」
とわたしの言葉を遮るように、千空くんはわたしを抱き締めた。
「嬉しい、、、なごみ、ありがとう。俺も、好きだよ。」
わたしはそっと千空くんの背中に腕を回し、ぎこちなく抱き締めた。
好きな人に包まれるって、こんなに温かくて幸せなんだ。
わたしはその幸せに浸るようにゆっくりと目を閉じた。



