君の瞳の中で生きてみたくて


「何か自分を見てるようで、あの時のなごみの気持ちが自分と重なっているように感じてさ。だから、"一緒に飛び降りる?"って訊いた。俺も生きづらさは感じていたし、なごみとなら、、、って思えたから。二人なら、怖くないんじゃないかと思って。」

千空くん、覚えてるよ。

一緒に飛び降りる?って言ってくれたことも。
二人なら怖くないだろ?って言ってくれたことも。

そんなこと言われたの初めてだったから、、、

わたしの中で凄く残ってる言葉だった。

「よく考えたら、おかしいよな。普通なら止めるのに。一緒に飛び降りるか?だなんて。」

千空くんはそう言うと、フッと笑って「俺、馬鹿だな。」と呟いた。

「そんなことないよ?わたしの中では、、、あの言葉で救われたの。みんなグループを作って仲良くしてる中、わたしは誰とも仲良くなれなくて、、、上辺だけで心開ける友達なんて出来なくて、凄く生きづらかった。自分がおかしいんだと思ってた。でも千空くんがあの時、声を掛けてくれて、、、二人なら怖くないだろ?って言われた時、千空くんもわたしと一緒なのかな?って思えた。"二人"って言葉が凄く心強くて、、、だから、わたしは今生きてる。そして、偶然にも再会出来て、今、、、千空くんと一緒に居る。」

わたしがそう言うと、千空くんは優しく微笑み、わたしの手を取り握り締めた。

「本当、、、まさか再会出来るだなんてなぁ。俺の初恋の人と。」

千空くんは、そう言ったあと「なごみ、生きててくれて、ありがとう。」と言った。

すると、わたしの瞳から自然と一筋の涙がこぼれ落ちてきた。

生きててくれてありがとう、だなんて、、、

わたし、、、生きてて良かった。