君の瞳の中で生きてみたくて


「え、突然どうしたの?千空くん、夜型って言ってなかった?」
「うん、そうだけど、それだとなごみと顔を合わせる時間が少ないなって思って。だから、なごみの生活リズムに合わせることにした。」

そう言って、ソファーに腰を下ろし、わたしのパソコンを覗く千空くん。

「すげぇなぁ。よくこんなに文章書けるよな。」
「、、、千空くん?」
「ん?」
「どうしちゃったの?」
「何が?」
「なんか、、、あった?」

わたしがそう訊くと、千空くんは少し目を逸らし、それから「なんか、、、モヤモヤするから。」と答えた。

「モヤモヤ?」
「朝、、、なごみが星野と電話してて、、、モヤモヤした。」
「あれは、仕事の話をしてただけだよ?」
「分かってる。でも、、、なんてゆうか、、、嫌だった。こんな気持ち初めてなんだけど、、、これって、嫉妬ってゆうのか?」

千空くんは少し照れくさそうにそう言った。

嫉妬?

千空くんが、嫉妬?

わたしと星野さんが電話してたから?

わたしが驚き、黙っていると、千空くんはわたしの方を横目で見て「俺、ダセーよな。気持ち悪いこと言ってるよな。」と言うと、ソファーから立ち上がり「先に寝てるわ。」と言って寝室へ行こうとした。

「ちょっと待って!」

わたしがそう呼び止めると、千空くんは立ち止まり、ゆっくりと振り向いた。

「わたしも一緒に寝る。」

わたしはそう言うと、パソコンを閉じて千空くんの元へ駆け寄った。

すると、千空くんは恥ずかしそうに優しく微笑み「ありがとう。」と言い、わたしたちは同じ時間帯に布団に入り、手を重ね合わせて眠りについた。