君の瞳の中で生きてみたくて


その日、普段の昼間は寝ているはずの千空くんが、日中ずっと仕事をしていた。

わたしは時折その後ろ姿を見ながら、作画のチェックをし、それからパソコンを開いて小説を書いた。

ずっと絵を描き続けていた千空くんがやっと椅子から立ち上がり、「疲れたぁ、、、」と自分の肩に手を置き、首を鳴らしたのは18時を過ぎてからだった。

千空くんはペットボトルのジャスミン茶を飲み干すと、「腹減ったなぁ。」と呟いた。

「何も食べずにずっと仕事してたもんね。何か買いに行く?それとも出前にする?」
「んー、何か買いに行くか。気分転換になるし。」

そして、わたしたちは夕食を買いに外に出た。

いつもなら近くのコンビニに行くところだが、千空くんが「今日は牛丼が食べたい。」と言うので、コンビニより少し先にある牛丼屋さんまで歩いて行くことにした。

「まだ、空が少しオレンジ色だね。」
「そうだな。」
「千空くん、この時間帯に外に出るの久しぶりじゃない?」
「かもな。俺は夜が好きだから。でも、なごみが居るなら、この時間帯もありかも。」

千空くんの言葉に少し戸惑うわたし。

それって、どうゆう意味で言ってくれてるんだろう。

すると、千空くんがわたしの手に触れ、そっと繋いできた。

わたしは驚き「えっ?!」と過剰に反応してしまい、千空くんを見上げた。