君の瞳の中で生きてみたくて


そして、いつの間にか眠りにつき、朝目を覚ました時だった。

「、、、ん?」

わたしは右向きで眠っていたのだが、布団から少し出ていたわたしの右手に重なるように千空くんの右手が重なり、わたしの隣で千空くんが眠っていたのだ。

えっ?
何で、手が、、、?

しかも、千空くんがこの時間帯に寝てるなんて珍しい、、、

千空くんは、スースー寝息を立て眠っていた。

疲れてるんだなぁ、、、
そうだよね、ずっと絵描きっぱなしだもんね。

千空くんの瞼に流れる睫毛は長く、羨ましいくらいに綺麗だった。

って、それより、この手!

動かしたら、起きちゃうかなぁ?

そう思いながらもそっと手を引き抜いていき、何とか千空くんを起こさずに済んだ。

わたしはホッとしながら、スマホを持ってそっと寝室を出てリビングへ行った。

いつも千空くんが使っているパソコンと絵を描いている画面の光だけがリビングを照らす。

すると、持っているスマホが振動し始め、画面を見てみるとBB出版社の星野さんからの着信だった。