君の瞳の中で生きてみたくて


わたしは人と話すのが苦手だ。
誰かと長い時間一緒に過ごすのも苦手。

なのに、千空くんとは不思議と平気。

だから、今わたしが誰かと生活を共にしているだなんて信じられないくらいなのだ。

それは相手が千空くんだからなのかな、、、

わたしたちはコンビニで買い物を済ませると、レジ袋は千空くんが持ってくれて、また散歩をするようにゆっくり歩いて帰る。

「大丈夫?荷物重くない?」
「平気だよ。一応、俺も男だし。なごみよりは力あると思うけど?」
「その言い方、意地悪だなぁ〜」

そんな会話をしながら、千空くんと歩く夜の散歩がわたしは好きだった。

恋人でもない、友達?でもない、ただのビジネスパートナーのはずなのに、、、

この気持ちは何だろう。

千空くんの自宅に帰宅すると、わたしたちは夕飯を済ませ、千空くんは絵を描き始め、わたしはシャワーを浴びに行った。

シャワーから上がりリビングへ行くと、暗がりの中、大画面の光で千空くんの真剣な表情が浮かび上がって見える。

絵を描いている時の千空くんの表情は、やはり仕事モードでどこか凛々しくてカッコ良く見えた。

すると、千空くんがふとわたしの存在に気付き、こちらを向く。

わたしはつい千空くんの横顔を見入ってしまっていたことにドキッとしてしまい、「はぁ〜サッパリした!」と言いながら誤魔化し、冷蔵庫へミルクティーを取りに行った。