それから、わたしたちは思い出話に花を咲かせたあと、仕事の話へと移った。
登場人物の容姿、大まかなストーリーの流れなどを話、とりあえずわたしは、わたしが書いたものを伊澄くんが受け取ったままに描いて欲しいとお願いした。
すると、伊澄くんは紙と鉛筆を取り出し、主人公の女性の絵をササッと簡単に描き始めた。
「こんな感じ?」
「うん、いいね。でも、もう少し髪は短い方がいいかなぁ?肩より少し長いくらい。」
そう言うと、伊澄くんはすぐに修正してくれて「このくらい?」と言った。
「うん!凄いね、伊澄くん!文章から雰囲気汲み取ってくれて嬉しい!」
「それは、久世の文章力のおかげだよ。次は?相手の男。」
そして、わたしたちは登場人物、一人一人の容姿や性格、表情などを事細かく話し合い、気付けば時刻は20時を過ぎていた。
「うわ!いつの間に!部屋が暗いと時間感覚なくなるね。」
「あ、わりぃ。」
「あ!いや、別に伊澄くんの部屋だから全然いいんだけど!」
「それより、腹減ってない?」
「あぁ、そういえば、、、」
「何か出前でも頼むか。」
そう言って、わたしたちはお弁当屋さんのお弁当を注文し、お弁当が届くまで一息ついていた。
「久世の家って、どの辺?」
「新星あたりかな。」
「え、こっから結構距離あるじゃん。」
「まぁ、通えない距離でもないから、大丈夫だよ!」
わたしがそう言うと、伊澄くんは「うちに泊まる?ってか、一緒に暮らす?」と言い出した。
へ?
一緒に、、、暮らす?!



