そばにいるって、君が忘れないように

 
もうひとつの黒板消しを手に持ち、彼の隣で私も再び消し始めた。

彼もなにも言わずに消し続けた。
 

日直の仕事が終わったあと、私たちは一緒に帰った。








 
私は、亮先輩が言っていた講義室4──秘密の教室へと向かう。
 
その教室は、中から黒いカーテンがびっしりとかけられていて全く人がいる感じはしない。

 
ここ、出るんでしょ……。

信じたくはない。

この学校に《《い》》《《る》》だなんて。

 
私は恐る恐る教室の扉を開ける。
 

「わあ……」
 

中に入った瞬間、私は思わず声を漏らしてしまった。

窓からは輝かしい太陽の光が差し込み、机や黒板を照らしている。

教室は神秘的なほどに澄んでいた。

まるで別世界に迷いこんだかのようだった。


「え、のどか」と、窓の淵に座ってこちらを驚いた様子で見ている優弥先輩が言った。

その声に他の四人も気付き、大きな反応を見せた。

 
優弥先輩の近くにはカメラを手に持っている創先輩がいて、彼はべつに驚いた様子はなく、一度私を目で確認したあと再びカメラに集中し始めた。

キングは筋トレの真最中だったらしい。

純斗くんはお昼寝してたのかな、まぶたを擦っている。