もうひとつの黒板消しを手に持ち、彼の隣で私も再び消し始めた。
彼もなにも言わずに消し続けた。
日直の仕事が終わったあと、私たちは一緒に帰った。
*
私は、亮先輩が言っていた講義室4──秘密の教室へと向かう。
その教室は、中から黒いカーテンがびっしりとかけられていて全く人がいる感じはしない。
ここ、出るんでしょ……。
信じたくはない。
この学校に《《い》》《《る》》だなんて。
私は恐る恐る教室の扉を開ける。
「わあ……」
中に入った瞬間、私は思わず声を漏らしてしまった。
窓からは輝かしい太陽の光が差し込み、机や黒板を照らしている。
教室は神秘的なほどに澄んでいた。
まるで別世界に迷いこんだかのようだった。
「え、のどか」と、窓の淵に座ってこちらを驚いた様子で見ている優弥先輩が言った。
その声に他の四人も気付き、大きな反応を見せた。
優弥先輩の近くにはカメラを手に持っている創先輩がいて、彼はべつに驚いた様子はなく、一度私を目で確認したあと再びカメラに集中し始めた。
キングは筋トレの真最中だったらしい。
純斗くんはお昼寝してたのかな、まぶたを擦っている。
