そばにいるって、君が忘れないように

学校内でのあの五人はアイドル的存在だということを知ったのはつい最近のことで、たまたまクラスメイトが話しているのを盗み聞きしたのだった。
 
あの五人はこの学校内では『イケメン・ファイブ』と呼ばれていて、まさに高嶺の花的存在。

それに、ファンクラブまであるのだという。   


そのことを聞いていた私の首には冷や汗が伝った。


私、そんな人たちと今まで一緒にいたの……。

全く知らなかったし、気づかなかった。

いや、気づこうともしなかったのかもしれない。

あの人たちが廊下を通るたびに女子たちが沸くのも、一緒にいると私に痛い視線が刺さるのも、そういうことだったのかもしるない。


私はとっくの昔に、選択肢を誤ったようだった。

 



──問題児……かもね。屋上にいるか、秘密の教室にいるか、だね


突然、亮先輩が言っていたことを思い出した私は休み時間に屋上へと向かった。

屋上へと続く階段を一段ずつ上って行く。

もう少しで着くというとき、屋上からなにか声がした。

先輩たちの声ではない。

女子の声だ。


「おいっ!」


喧嘩でもしているのだろうか。

金切り声が飛んできた。

一気に私の体が硬直する。

恐る恐るドアのガラスから様子を伺ってみた。