そばにいるって、君が忘れないように


その声につられてキングと純斗くんも部屋を出ていった。

創先輩はベッドに腰かけ、カメラをいじくりっていた。

カメラに集中していて周りの音など全く気になっていないようだった。

 
私が勉強机に向かうと、亮先輩は近くにあったイスを持ってきて私の隣に座った。


「で、教えてもらいたいとこってどこ?」
 

彼が机の上で腕を組んだことで私との距離がぐんと縮まった。


「えっと……数学なんですけど……」
 

私は急いで参考書を開いた。
 
緊張のせいか少し指が震える。

平然を装い、ペラペラとページをめくる。


「ここです」

「余弦定理ね。たぶん、ここは公式に当てはめるだけでいいんだと思うけど……あっ、これ、ちょっとめんどくさいやつだね」

 
解いてみるからちょっと待っててと言うので、私は特にやることもないので亮先輩を見ていた。

 
亮先輩は参考書に集中している。


人が一生懸命に取り組んでいる姿ってなぜこんなにも惹かれるのか。

はたして、これは亮先輩だからなのかな。

それにしても本当にかっこいい。

私、完全に見とれてしまっている。