そばにいるって、君が忘れないように



「僕、やっぱりのどかに忘れられたくないよ」
 

優弥が言った。


「それは誰だって同じだよ、忘れて欲しくない」と亮は優弥の背中を優しく擦った。

「でもぅ……」
 

純斗が悲しそうな顔をした。
 
目がうるうるとしていて今にも泣き出しそうだ。


「気にしないでいつも通りのどかに接しよう。オレらはただ、役目を果たすだけだ」とオレが言うと「そうだな!」とキングが、オレの肩に手を乗せた。

その手は覚悟を決めた、温かい手だった。

 

オレは、廊下を歩いているのどかを見つけた。

背中からでも分かる。


いつから背中だけでものどかだって分かるようになったんだろう。


「気にしないで接するんだ」
 

自分に言い聞かせるように囁く。

その瞬間謎の胸の痛みが襲ってきたが、そんなことでいちいち辛くなってしまっていてはいけないと思った。


「のどか」
 

彼女の背中に向かって名前を呼んだ。


「ん?」