そばにいるって、君が忘れないように



自慢げに言った彼だったが、自分が恥ずかしいことを言ったのに気が付いたのか徐々に顔が赤くなっているように感じた。


亮先輩でも、顔赤くなるんだ。

え、なんか可愛いんだけど。


私はそのままベンチで勉強をして、亮先輩もそのままベンチに座って本を読んでいた。

キリが良いところまできたので帰ろうと思うと私が言うと、彼は一緒に帰ろうと言った。




夕日が沈み出している。

今日の夕焼けは一段と美しく見えるような気がした。


「のどかは毎日歩いて通ってるの?」と亮先輩が訊いてきた。


「はい、そうです。家が近いので。家って言っても、おばあちゃん家ですけどね」

「ふぅーん」 

 
鈴虫の声が私たちのまわりの空気を満たしていく。


「のどかは、好きな人とかいるの?」
 

仲のよい友達に訊くように彼が言った。


──ドクン

 
その質問に、身体中の細胞が反応した感覚があった。


「な、なんでそんなこと聞くんですか?」

「いや、ただ気になって。もしかして、あの人かなあ、なんて思ってさ」

「あの人……。誰ですか?」
 
 
亮先輩の顔が橙色に染まっている。