そばにいるって、君が忘れないように



「こらこら、フグにならないの」と亮先輩は指でつんつんと私のほっぺを突く。


「のどかの取り柄か……」


亮先輩は指を引っ込めて腕を組んだ。


考えてくれているのだろう、私の取り柄を。


その先輩の発言にちょっと期待してしまっている。


なんて言ってくれるのだろうか。

先輩は私のことをどう思ってくれているのだろうか、と。


「ん~……」
 

先輩は私を見て、ふっと笑った。


「亮先輩」

「なに?」

「まさか、ないって思っているわけじゃないですよね」


私は徐々に睨み顔になる。


「え……」


彼は一瞬真顔になったあと、パアっと顔が明るくなった。


「え、バレた?」


私は先輩の肩を参考書で叩いた。


「亮先輩、ひーどいっ。私の取り柄なんかないってことですか、もう」