「置いて行くなんてひどいよお」と純斗くんがほっぺたを膨らまして言った。
「え、え、え? どうしてここにいるの?」
私が尋ねた。
「え?」と五人が口を揃えて言う。
「私、みんなを置いてきて、いち早く上履きに履き替えたんだけど……」
私は視線を下ろして五人の足を確認する。
五人も上履きに履き替えているのを知ったら、ひどい目眩がした。
「僕たち、のどかのためってなったら行動がめちゃくちゃ早くなるみたい!」と言う純斗くんに、いやいやそんなことあるわけないだろうと心の中で思ったが、口には出来なかった。
「それはお前だけじゃねーの? ……ってこのくだり何回やるねん!」とキングが純斗くんを叩く。
「あはぁー」と純斗くんが笑った。
な、なんなんだ、この人たちは──。
*
「はい、明日単元テストするから、準備しておくようにな」
英語の先生がプリントを配りながら言った。その声にクラスのみんながぐだりだす。
「先生ちょっと急すぎませんか?」
「来週とかでいいっすよ」
「なんなら、無くてもいいよな」
「分かるわー」
英語か。
まあ読めればなんとかなるでしょ、と心の中で思う。
しかし侮ってはいかない。
明日に備えなくては。
