そばにいるって、君が忘れないように


「置いて行くなんてひどいよお」と純斗くんがほっぺたを膨らまして言った。


「え、え、え? どうしてここにいるの?」


私が尋ねた。


「え?」と五人が口を揃えて言う。


「私、みんなを置いてきて、いち早く上履きに履き替えたんだけど……」


私は視線を下ろして五人の足を確認する。

五人も上履きに履き替えているのを知ったら、ひどい目眩がした。


「僕たち、のどかのためってなったら行動がめちゃくちゃ早くなるみたい!」と言う純斗くんに、いやいやそんなことあるわけないだろうと心の中で思ったが、口には出来なかった。


「それはお前だけじゃねーの? ……ってこのくだり何回やるねん!」とキングが純斗くんを叩く。


「あはぁー」と純斗くんが笑った。
 


 な、なんなんだ、この人たちは──。


  





「はい、明日単元テストするから、準備しておくようにな」


英語の先生がプリントを配りながら言った。その声にクラスのみんながぐだりだす。


「先生ちょっと急すぎませんか?」

「来週とかでいいっすよ」

「なんなら、無くてもいいよな」

「分かるわー」


英語か。

まあ読めればなんとかなるでしょ、と心の中で思う。

しかし侮ってはいかない。

明日に備えなくては。