そばにいるって、君が忘れないように


「どうして?」

「いや、ただ気になったというか……」

「知っても役にたたないと思うけど。だって、俺たちいつもクラスにいないし」と言って亮先輩は私を見た。


「え、クラスにいない? え、問題児?」

「問題児……かもね。屋上にいるか、秘密の教室にいるかだね」

「秘密の教室?」


なんだろう、と興味津々になりながら先輩を見つめる。


「三階に講義室4っていうとこがあるんだけど、そこのこと。普段は誰も使ってないから使い放題なんだ」


それに、と言って先輩はニヤリと笑った。

 
「そこ、出るって噂なんだ」

「え゛」


私の体は分かりやすく硬直した。

それを見た先輩は、ははは、と笑った。


「それほんとですか?」

「うん、本当。だから怖くて誰も入ってこないんだよ。優弥なんて、見てからあんまり入りたがらないもん。だからあいつは、よく屋上にいる」

「優弥先輩、見たの?」

「らしいよ。のどかもいつでも遊びに来ていいからね」

「い、行かないです!」


 ──キーンコーンカーンコーン


昼休み終了のチャイムが鳴った。

残り五分で授業が始まる。



「あれ? みんなは?」