そばにいるって、君が忘れないように

「やめてよぉ、ブラックジュントなんて。聞き捨てならないなぁ。てか……なんでのどかはキングに抱きついてるの?」


かわいらしい顔に戻った純斗先輩が私に尋ねてきた。


「あ……ごめんなさい、すっかり……」
 

あまりにも居心地が良すぎてキングにずっと抱きついていたことを忘れていた。

まるで抱き慣れたテディベアに抱きついているかのようだった。 

今ここで私の頬を掠めている風が感覚を奪い去っていたのかもしれない。

 
「大丈夫。平気やで」とキングが手を後頭部に当てながら照れを隠すかのように言った。


「で……」私は周りを見渡した。「ここで何してたんです?」


他の生徒たちは時間を満喫しようと街へ出掛けたようだった。

だか、揃いに揃ってこの人たちはこの野原いる。

みんなのように出掛けたりしないのだろうか。


「ただ……遊んでた」


私が尋ねると創先輩が答えた。


「創はずっとカメラと遊んでた」


そう言って優弥先輩は意地の悪い笑み浮かべて、創はカメラと恋人だもんね、と付け加えた。

優弥先輩の挑発に彼は、うるせぇとただ吐いただけで視線を再びカメラに戻してしまった。