そばにいるって、君が忘れないように



バタバタする私に向かって、純斗先輩はボソッと吐き捨てた。

その声を聞いた途端、私の体は停止してしまった。

ただ彼の横顔を見つめることしかできない。


男らしい横顔だった。

子犬みたいでかわいらしい感じは全くない。

やっぱり、年上の男性だった。
 

どくん、と私の胸が高鳴る。


「珍しく男らしいな、純斗」と優弥先輩が感心したように言う。


「まっ、僕も男なんで」と純斗先輩が私をゆっくりと下ろしながら言った。


「ありがとう……」

「なに、照れてるの?」

純斗先輩が小悪魔的な笑みを浮かべる。「顔、赤いよ?」


私の耳に純斗先輩は口を近づけて小さく囁いた。

 
く、くぅーーー!!!!!

 
急激に私の顔に血がのぼっていく。

急激にだ。

突然のこと過ぎて視界の世界がくるりと一回転したようだった。


「き、キングぅ!!」
 

私は咄嗟にキングを呼んだ。


「なんやっ!?」