そばにいるって、君が忘れないように









そしてついにギプスを取って生活することができるようになった。

ヒビはだいぶ修復されて前みたいに歩けるようにはなったのだけれども、少々足に違和感が残っていて今まで通り歩くことがまだ怖いと感じてしまう。


今日は午前授業だったので、ホームルームが終わったあと、クラスのみんなは吸い込まれるように教室を出ていった。

私は日直だったので、黒板をきれいにして日誌を書いたあと、ラストで教室を出た。


まだ太陽が真上にある昼間。

周りにある山や、空や、田んぼは清々しい。


私は帰り道、田んぼと田んぼに挟まれた道を歩く。

ゆっくりと、風に髪をなびかせながら。


田んぼの奥には野原が広がっている場所がある。

もともとは田んぼだったらしいけど、育てる人がいなくなったから埋め立てたとか。

今は、春の草花たちでいっぱいになっている。


その野原に、誰か人がいるようだった。

私は立ち止まり、目を凝らした。

だが、そんなに目が良いわけではないので誰がいるのかは分からなかった。


誰だろう……。