そばにいるって、君が忘れないように







もう校門にある桜は咲かなくなってしまったが、その代わりに緑に染まるようになった。

おばあちゃんの車の中から私は外を見つめる。

私が骨折してから毎日おばあちゃんに送っていってもらっている。

だいぶギブスの生活にも慣れてきた。

学校に到着し私が車から降りるとおばあちゃんは中から、いってらっしゃい、と言った。

私は軽く手を振りながら、おばあちゃんの車を見送る。


「のどか」


ん? と思い、後ろを向くと、輝く五人組がそこにはいた。

おはようございます、と私は少し頭を下げる。

純斗先輩があまり無理はしないでね、と言って私のリュックを持ってくれた。


「まだ治んねえの?」と創先輩はいつものように冷たい。

ポケットに手をつっこみながら私の近くにまで寄ってきた。


「見事にヒビが入っててですね。ヒビは治りにくいのですよ」と私が言う。「ま、こうなったのは誰だかさんたちのせいなんですけど……」


私はキングと優弥先輩を睨んだ。


「え、わし? わしらのせい?」


キングが指を自分の方に指し、目を見開いている。


私は常々、自分は根に持つタイプだなと思うときがある。

根に持っていても仕方がないとは思う。

でも、許せないときだってある。

とはいっても、今回は別に根に持っていると言うわけではないが、ただ言いたかったのだ。

言って、先輩の困っている姿や表情を見てみたかった。

たぶん、こう考えてしまう私はきっと変人だ。

いじめているわけではない……。
 
ただただ、見てみたかっただけ。