そばにいるって、君が忘れないように



すると、どうやら校庭では3年生たちが男女合同で体育を行っているらしかった。


あの人たちいるかなって考えながら、一人一人顔を確認して脳内の顔と一致させていくが、誰一人として一致する人がいなかった。

変だな……三年生だと思ったんだけど。

て言うことは、二年生なのかな?



移動教室のため、一人で教材などを持ち教室を出た。

今の私には、教科書をロッカーから取ってくるのも、取ってきた教科書を持って歩くことも容易ではないけれど、仕方がない。

どうにかこうにか荷物を持つことができた。

はあ、とため息をつくと、たまたま廊下に武がいることに気がついた。

私は、武に気づかれないように横を通り過ぎようと試みた。


でも、松葉杖の音がいちいち鳴ってうるさいんだよなぁ……。

気付かれませんように! 

話しかけられませんように!


「あれ。のどか、一人で大丈夫なの?」

 
バレたー! 
 

待ってました、という感じで武が話かけてきた。


「あ……大丈夫だと思う」


語尾に、たぶん、と付け足した。


「骨折、辛そうだな?」

「ん……骨折というか、本当はヒビが入っただけなんだけどね」

「いや、それでも大変なものは大変だろ」


武は、私が持っていた教材類を何も言わずに持ってくれた。


「あ、ありがとう」