そばにいるって、君が忘れないように



中学校での私はいつも陰にいて、みんなから忘れられてる存在だったと自覚している。

だから私は、わざわざ通っていた中学校から遠い高校を選んだのだ。

過去の私のことを知っている人がいないであろうこの所に。


存分に高校デビューしてやるんだからっ!


私は気合いを入れるために、

顔が隠れるくらいにあった前髪を短くし、

後ろの髪もバッサリ切ってボブにした。

メガネもやめて、コンタクトにした。


よし! 

これで存分に楽しいJKライフが送れるはずっ! 

そして、ばりばりめちゃくちゃかっこいい彼氏をつくるんだからねっ! ふんっだ!


力強い一歩を踏み出したつもりだった。

だが、もっと根本的な問題を忘れていた。


いや、待てよ。

人見知りの私が彼氏……? 

あっはっ! 

ムリムリ、ムリだァァァ!


どうしてもネガティブな思考が勝ってしまう。

こういう性格もこの際なら治したい。