そばにいるって、君が忘れないように


「ちょっと亮! やめろよぉ!」
 

純斗先輩は必死にカメラの画面を手で隠している。
 

ここにいる三人は、顔面偏差値が平均以上、いや、平均よりずいぶん上だ。

いや、もしかしたらトップかもしれない。

少なくとも私が今まで見てきた人のなかではトップ。

そんな人たちが変顔をやっても、変顔になってない。
 
そう、変顔をしても顔が崩れていないのだ!


純斗先輩の変顔を見せたい亮先輩と、見て欲しくない純斗先輩の戦いを私は面白がって見ていた。

 
「亮やめてよぉ! ぎゃゃあ」

「やーだね。取れるもんなら取ってみろ」

「後でただじゃおかないからね! もぉぉお!」

「ほらほら」

「ぎゃゃあ」


この人たちは小学生なのかな?

 
すると、小学生二人には混じらないでいた創先輩が「のどかの変顔も撮る?」と私に訊いてきた。


なんだって? 

変顔? 

いや、普通女子にそんなことは聞かないでしょ。

ねぇ? 

でも……でも……。


「いいよ。私の世界一の変顔見せてあげる」


強そうに、私は胸を張って言ってみせた。

無駄に心拍数が速くなっていく。


ヤバい……自分で自分のハードルを上げてしまった。