そばにいるって、君が忘れないように


「え……!?」


ハッとした後、気付いたら小人は消えていた。


「小人って笑うんだ……」


今まで小人とばっちり目が合ったことも、笑いかけられたこともない。

はじめての経験に、私はふっと笑みを漏らした。





入学式から約三週間を過ぎ、だいたいのことは分かるようになってきた。


今日の前髪の調子も化粧もいい感じ。

いったい誰の何のためにおしゃれに気を遣っているのか分からなくなってきたきた。

いや、きっとこれは自分のためだ。

かわいくなって、彼氏をつくる! 

たとえ私がぼっちだったとしても。


学校で日課と化しているのは、あのベンチで昼食を食べるということだ。

ほぼ毎日あの先輩たちも来てくれる。

そして一緒に食べて、一緒に笑う。

なんなら私、そのために学校に来ているんじゃないかって気さえする。



校門の前に立った瞬間、カバンの中がゴソゴソと動いた感じがした。

その音と共に冷や汗が出る。