そばにいるって、君が忘れないように

意外にも亮は早く帰ってきた。


「お! おかえり」

「みんな、起きてたんだ」

「うん。そうやで。なんか浮かない顔やな」

 
亮はわしら全員を見渡した。


「俺……俺……のどかと付き合うことなった」

 
わし以外の三人は微動だせずに固まっている。


「そうか! よかったな!」とわしが言うと、それに続けてみんなも言う。


「おめでとぉ! ちょっと悔しいけどねぇ」
 

純斗が口を突き出す。


「まあ、仕方ないか」
 

創が言う。


「亮、ちゃんと守るんだよ! 守んなかったから……ぼくちんが奪う!」

「もちろん守るよ」と亮は笑う。


「まあ、もちろん、わしらはこれからものどかを守り続けるけどな」

 
わしの言葉に亮は、はっとしたようだった。


「うん。よろしくね」

「おう」

 
わしらは何故か握手を交わした。