そばにいるって、君が忘れないように


私は、焦りながら再びお弁当箱を開けて、ご飯をかきこみ出した。


「ちょ、ゆっくり食べてよ?」と隣にいる亮先輩が言った。


「おいしそぉ」


純斗先輩が私のお弁当箱の中身を覗いてきたので、おいしいですよ、と自分が作った訳でもないのに、私は自慢げにそう言った。


「あ、その卵焼きぃ! さては超甘いな!」


純斗先輩が、私が食べようと口に運んでいた卵焼きを指差した。


「え、なんでわかったの?」

「あはぁー。勘だよ」




 

授業中、私は昼休みのことを思い出していた。


あのときの私、人見知りじゃなかったな。

完全に普通に話してたし、普通に笑ってたし、なんなら先輩だっていうのに敬語使うこと忘れてたし……。

なんにも気にせずに気楽に話ができたのはなぜだろう。 

ただずっと、心と体が落ち着いていた。

今までは他人と会話をしてもだいたい3秒で終了してしまっていたけれど、今回は過去最高記録といったところだろうか。

私が同性ではなく異性と、それにあんなイケメンたちと、あそこまで心を許してしゃべれるようになるなんて……。

今までの私からしたら全く想像もできない。
 
それにしても、あの人たちと話していると、自然と心が安らぐような落ち着くような、はじめましてではないような、昔からの知り合いのような、そんな不思議な感覚に襲われる。


いったいあの人たち、なんなんだ?