そばにいるって、君が忘れないように

私は、子供じゃないんだから大丈夫です、と言って笑った。

 
その途端、何かが下駄に引っ掛かった。


「ちょっ……と……」

 
亮先輩が私のお腹の前に腕を回し、私が前に倒れないように支えてくれていた。


「え?」

 
あまりに一瞬の出来事に脳が停止した。
 
引っ掛かったようには感じたが、まだ別に体が前に傾いていたわけでもないし……。

すぐ目の前にある亮先輩の顔。
 
近くで見ても、本当にイケメンだ。


「気を付けてねって言ったばっかりでしょ? のどかは十分子どもだね」

「ふんっ! 子どもじゃないし! ……亮先輩。よく分かったね、私が転びそうになっていたのに」

「ま、まあ。俺がここにいなかったら、のどか、転んでたね。顔からバタッと」

「顔からかどうかはわからないでしょ!」

 
亮先輩は目を細くして笑った。