そばにいるって、君が忘れないように

「ちょっと早いけど……行こっか」と亮先輩が言った。

 

空がオレンジ色とやさしいピンク色に染まった。
 
神社に着くと、意外にも人がいた。


「なんか食べたいものとかある人~?」
 

優弥先輩が言った。

 
うーん……たこ焼き食べたいな。


「俺、たこ焼き」と亮先輩が言った。 

「えっ、私も言おうとした!」


キングは焼きそば! 焼きそばっ!と叫ぶので相当食べたいらしい。


「じゃあ、キングたちで焼きそば買ってきて。俺とのどかでたこ焼き買ってくるから」と亮先輩が言うと、キングは、あいよ、と返事をしてみんなを連れて行った。

 
私たちはたこ焼き屋さんへ行った。


「お、いらっしゃい!」といかにも元気満々のおじさんがいい匂いをぷんぷんさせながらたこ焼きを作っていた。


「たこ焼き三つください」と亮先輩が頼むと店主は「あと三分くらい待っててくれるか?」と言った。


三分かあ……。

その間亮先輩と二人きり。

短いよ……十分くらいだったらよかったのに。


「のどか──」
 

亮先輩が私になにか言った。
 
最後らへんの言葉が周りの騒音で聞こえなかったので、え?と聞き返した。

 
すると亮先輩はぐっと私に近づき、私の耳元で「かわいいよ、浴衣」と言った。