そばにいるって、君が忘れないように

「こぼしちゃった……」
 

のどかはとてもがっかりしている様子だった。

真っ白が緑色に染まっているところを手で少し浮かせて、それを見ながら、ただじっと俯いている。

彼女を見て、俺はいたたまれない気持ちでいっぱいになった。


「のどか、一緒に洗いに行こっか」
 

俺が言うと、のどかはこくりと頷いた。

 
廊下の手洗い場でのどかは汚れている部分を手でゴシゴシと洗っている。
 
垂れている髪の毛がのどかの視界を遮っているようだった。


「大丈夫? 洗いづらくない?」

「ん……ちょっと。でも、大丈夫」

「いいよ、俺が洗う」


俺はのどかの後ろにまわって、両手を前に伸ばし、のどかのジャージを洗い始める。

やってしまってから事の重大さに気付く。

 
ん?