そばにいるって、君が忘れないように

「相変わらず、その絵、気になるなぁ」とのどかが俺のキャンバスを覗く。


「まだだよ」

「ふんっ。わかってますよーだ」


のどかはへそを曲げた子どものような顔をしてキャンバスに向かい始めた。

セミたちの声が俺たちのいる空間を満たしていく。

 
暑いぃ……。 
 
美術室にもエアコンをつけて欲しいと心底思う。

 
首に、汗が一筋伝った。


「いぎゃゃゃゃっ!」
 

のどかが急に叫び声を上げた。
 
俺は驚いて彼女を見ると、彼女のジャージは真緑に染まっていた。


「なにやってんの……」
 

俺は立ち上がり、ぞうきんを持っていった。