そばにいるって、君が忘れないように

「まあまあ、そのうち分かるでしょぉ?」と純斗が言いながら教室を出て行った。


「こういうことになると亮って一気にバカになるんだね」
 

いつもはみんなにバカにされている優弥がそう言った。


「優弥に言われたくない」
 

むっと睨み付ける。


「はーいはい」

 
なぜか、この時ばかりはみんなが少し大人に見えた。
 
俺の知らないことまで知っている。
 
俺はまだ、背伸びしたくてもできない領域にいるんだ。



夏休みに入って数日経った。

 
俺はこのごろ、ずっと美術室にいる気がする。
 
のどかと一緒にいられるときに、絶対この絵を完成させたい。

万が一のことがあったら、のどかに伝えられるように……。